どうも建築現場で働くニコです!
一人親方(個人事業主)として生きるぼくが合同会社を作りましたー!
法人化にあたり手続きを専門家(司法書士)の方に頼むと、費用が約30万円かかります。
そこで、出来るだけ費用を抑えたい!と思い、今回は全くの素人である妻にイチから書類作成・手続きをやってもらいました。自分で行ったことで費用は約6万円ほどに抑えることができました。
そこで本記事については妻に書いてもらいます。知識ゼロからでもできたことなので、ぜひ参考にしてみてください!
費用も抑えれたし、思ってたより自分でやるの簡単でした!
個人事業主(フリーランス)が合同会社を作るにあたって
専門家(行政書士)にお願いすれば書類作成など丸投げすることで会社設立できます。もちろんその分費用もかかります。
夫の業務内容・申請内容的に複雑では無いのでもしや、自分で申請できるのではないか??てことで自分で書類作成・手続きにトライし会社設立を試みることにしました。
ネットで検索すると、会社設立の申請書や定款の書き方や雛形など全て載っています。
イメージしていた煩わしさは一切なく、めちゃめちゃスムーズに書類作成することができました!
注意すべきポイントや、専門用語を詳しく教えてくれたりしているのでホントに誰でもできます。
結果、書類作成から法務局に提出するまで2~3日あれば可能です。
私の場合、電子署名だけ行政書士さんにお願いしたのですが、ちょうど連休を挟んだことで1週間程かかりました。
合同会社を作るメリット
節税
やはり会社設立するにあたって抑えておきたいポイントです。
これからも事業内容が変わらないのなら、節税になる方が良いですよね?個人事業主である場合と比べると節税できる幅が広がるので、ある程度売り上げが確保できるようならば、法人化することで恩恵を受けることができます。
株式会社を作るよりも費用が安く抑えられる
- 株式会社を設立する場合
登録免許税 | 15万円 |
公証人手数料 | 5万円 |
収入印紙 | 4万円(電子定款の場合不要) |
定款の謄本手数料 | 約2千円(250円/ページ) |
印鑑登録証明書発行手数料 | 数百円(市町村による) |
合計 | 約20万円~24万2千円 |
- 合同会社を設立する場合
登録免許税 | 6万円 |
収入印紙 | 4万円(電子定款の場合不要) |
印鑑登録証明書発行手数料 | 数百円 |
合計 | 約6万円~10万円 |
私の場合、収入印紙4万円をケチるために電子定款での提出にしようとしたのですが、調べてみると電子定款には電子署名が必要でそれを行うにはマイナンバーカードが必要です。
おっとうちは通知カードしかないぞ...
今から携帯でマイナンバーカードの申請をしても申請が混んでて1か月程(通常は2週間ほど)かかる模様....
そんな状況で一つの記事を思い出して調べると、マイナンバーカードを持っていない人は電子定款の作成や署名のみを行政書士さんに依頼できることがわかりました。
しかも郵送とかではなくメールにて対応してもらえるので日数も手間もかからない。
そして、自分で作った定款の内容を確認してもらえて収入印紙4万円も不要になるなんて良いことしかない!
てことですぐに電子署名を依頼しました。
電子署名依頼料は約3千円でした。ヨシっ
なので、うちの場合
・登録免許税6万円
・電子定款の電子署名依頼料約3千円
・電子定款を納めて提出するためのディスク購入(百均)
・印鑑登録証明書発行手数料(3百円)
と各書類の経費は約6万3千円で済みました。
マイナンバーカードがあれば自分で電子署名をすることができるのですが、電子署名をするためにはICカードリーダーが必要になります。
カードリーダーなんてみんな一家に1台なんてあるの??そんな疑問が生まれるぐらいなので、うちにはもちろんありません。
だけどアマゾンで調べたら3千円ぐらいで買えるのでマイナンバーカードを持っている人は買っておいても良いのかも。
合同会社のデメリット
合同会社という知名度がまだまだ低いため、社会的信用は株式会社と比べると断然劣ります。金融機関での多額の融資は難しいかもしれません。
もし利益が上がらなくて赤字だったとしても、毎年法人住民税として7万円支払わなければなりません。
合同会社とは?
私は、株式会社という名称に比べ「合同会社?ん~聞いたことはあるけど....」くらいの認識でした。
合同会社てナニ?
会社設立、法人設立と聞くと、株式会社を作るんだ!?何かわからんけどすごい!みたいな印象を受けることもありました。(←作ること自体は全然凄くはないw)
現在、日本の会社は、株式会社・合同会社・合資会社・合名会社の4種類あります。
合同会社は経営者と出資者が一緒の人物で、出資者が複数人の場合全員が有限責任社員という特徴があります。
つまり、私の様に一人で合同会社を設立する場合は経営者・出資者・有限責任社員全て自分となるわけです。
有限責任社員ってなんじゃらほい??
有限責任社員とは
自分が出資した分だけ会社に対して責任を負う社員。会社が倒産した場合、有限責任社員は出資した以上には会社の負債の弁済する義務がない。会社の負債に対して無限の責任を負う無限責任社員とは対照的である。法的には株式会社の株主、旧有限会社の社員、合資会社の有限責任社員に有限責任が認められている。ちなみに、2006年春から日本では新会社法によって有限会社という形態がなくなり株式会社に一本化され、新たに有限責任会社(LLC)という形態が創設された。
出典 デジタル用語辞典
合同会社を設立するまでの手順
設立にあたり電子申請という方法もあります。しかしそのためにはマイナンバーカードが必要なので、今回はマイナンバーカードがなくても作成できる紙の書類で提出しました。
なので今回は、データではなく紙の書類での提出の手順を紹介します。
↓今回の書類作成で主にこちらのサイトを参考にしました。
http://kaisya-tsukuro.net/goudonavi/kaisya-tsukuro.net
手順が10個あってめんどくさそうなのですが、一つ一つの項目自体は難しくないので参考にしてもらえるはずです。
聞きなれないワードがいっぱい出てくるけど、全然難しくないよー
1、申請に必要な設立項目を決める
設立するための申請書に必要な項目を最初に決めます。
まずは会社の情報を集めて、まとめよう!
※新規事業でなければ、既存の住所・仕事内容でOKなので難しくないです。
・本店所在地・・・会社を設立する住所
・会社名・・・合同会社設立の場合、決めた名前の前か後ろに合同会社を入れる
〇〇合同会社
合同会社〇〇
会社名は自由に決めることができます。ただ、本店所在地に同じ名前の会社を二つ以上存在(登記)させることはできません。
どうしても同じ住所の同じ会社名で登記したい場合は同じ会社名でも合同会社が前に付くか後に付くかが違うだけでも申請できるようです。
気になる人は本店所在地を管轄する法務局へ行って確認してみてください。
・事業目的・・・どんな事業をする会社か?
例えばうちの場合(ガラス施工業)
1.店舗や住居などの硝子の施工
2.店舗の鏡やガラスケースなどの設置作業
3.前各号に付帯又は関連する一切の事業
3の文章書いてたらだいたいいけるんじゃねーの?とも思いましたが、「何の仕事してますか?」と聞かれた時に、知らない人が見ても分かるよう明確に書くことが重要です。
・事業年度・・・決算時期
決算日を自由に決めることができます。
ただ6月1日に6月を決算日とした会社を設立すると、設立したその月の末日に最初の決算期が来るので注意。
会社設立していきなり決算のための事務処理に取り掛からないといけないのは少しは負担に感じるかも...
・資本金の額・・・資本金は1円~OK!
会社設立時の資本金は1円から申請することができます!
ただネットで調べていると、資本金が少ない=信頼できるの?というイメージになるようで、法人口座が作りにくいとも言われています。
そして、許認可の種類によっては資本金いくら以上の会社でないとダメと決まっているものもあるのですが、うちの場合では許認可が特に必要ではないのでここはスルーしました。
社員が複数いる場合は、資本金を誰がいくら出すかなど決めないといけません。
会社設立の提出書類に出てくる社員とは、通常良く聞く従業員のことではなく、合同会社に出資する人のことをいいます。
出資は現金以外のものでも出資するすることは可能(現物出資)ですが、
手続きなどが増えて面倒そうです。
実際私は資本金1万円で申請して通りました。
後から考えれば1円から申請できるなら1円で申請すれば良かったなぁと。
一円にした方が面白かったよね?
・社員(出資者)や役員(代表社員・業務執行社員)を決める・・・一人で設立する場合はすべて自分
これもうちはひとりでの経営のため、出資者・代表社員・業務執行社員すべて自分の名前でOKでした。
業務執行社員とは社員の中で実際に会社の経営に関わる人のことで、出資はするけど経営には関わらない人は業務執行社員にはなれません。
代表社員とは株式会社で言うところの代表取締役。
合同会社設立に業務執行社員が複数いる場合にはその中から代表社員を1人選ぶ。
法律上は1名でなくても良いみたいですが取引先や周りから見たときに代表社員=社長が何人もいるとなんか変な感じなのかな?
2、印鑑登録証明書を用意する
合同会社設立に必要な書類である印鑑登録証明書を1通取ります。
市役所で取れるよー
合同会社設立を複数人でする場合でも印鑑登録証明書がいるのは代表社員のものだけで良いです。
必ず印鑑登録証明書の住所を確認すること。
ここがすごく大事なポイントで、申請書や定款の住所が印鑑登録証明書の住所と一字も間違わないようにする
例えば、
印鑑登録証明書の住所が
〇〇県〇〇市〇〇町1丁目2番3号マンション名401号室
だとして
〇〇県〇〇市〇〇町1丁目2番3号マンション名401号
〇〇県〇〇市〇〇町1-2-3-401
〇〇県〇〇市〇〇町1丁目2番3号401号室
↑これは全部ダメです。
間違えると修正することになります。
全く同じ表記にしよう!
3、会社の印鑑を作る
会社を設立するには登記申請書と一緒に会社の印鑑を法務局に届け出る必要があります。
私は翌日配送のネット注文で安いものを買いました。(約3千円)
会社印は会社名の中に代表社員之印と入れるのが一般的です。
通常は会社印を作る際に銀行印と角印を同時に作ることが多いと思います。
どうせ後で作るなら一緒にって感じですよね。
印鑑にこだわりがなければ業者にお任せでOK
4、定款(ていかん)を作成する
定款(ていかん)って聞いたことないんですけど。
定款とは会社の運営について定めた決め事(規則)です。会社の憲法って言われたりもします。
聞きなれない言葉ばかりで理解するまでが大変でした。てか全部は理解できてないけど。
聞きなれない用語ばかりで大変、さらには法律で決められた内容はきっちりと入れないとダメ。これは専門家でもない私には無理かも...
よし、そんな時はパクろう!
見本を参考に作っていきましょう。無料のひな型がダウンロードできるので、とりあえず真似して自分の会社内容に替えて作成していきましょう。簡単でしょ??
あらかじめ決めた項目を当てはめるだけだから楽ちん
通常は紙の定款を作成した場合にはその定款に4万円分の収入印紙を貼ります。
ですが、定款を電子定款で作成すると4万円の収入印紙は不要になります。
作成した定款をワードかPDF化したものを行政書士さんへメールで送り電子署名をしてもらいました。
↓ワードをPDFに変換する方法
azby.fmworld.net
今回うちは電子定款に必要な電子署名を行政書士さんにお願いしましたが、マイナンバーカードを持っている人は自分で電子署名をする方法もネットで検索すればすぐにでてきます。
5、資本金を振り込む
社員の個人名義の銀行口座でOKですが、資本金を振り込むためには通帳のある銀行口座でないとダメです。
そして、資本金が決まっているからといって定款作成よりも先に入金はせず、必ず定款作成後(同日はOK)に入金してください。先に振り込んでしまうと会社法の規定に反するからです。
出資者が複数人いる場合は各々で振り込んでもらうのが原則的ですが、社員1人が全員分を預かってそれをまとめて自分の口座へ入金をしても特に問題はありません。
入金が終わったら記帳した通帳の、「表紙と「通帳を開いた氏名や口座番号などが書いている1ページ2ページのところ」と「入金したのがわかるページ」をコピーします。
6、払込証明書の作成
払込証明書とは、社員から会社へちゃんと払い込みがされましたよー!ということを代表社員が証明する書類です。
出来上がれば名前の横と書類の左上に代表印を2ヶ所に押印します。
左上に押すのは「捨印」(すていん)といって、押印しておくと提出書類に修正箇所がある場合この書類を直接訂正することができるというものです。
必ず押印しておかないといけないものではないようですが、書類作成にミスがあった場合修正が楽になるので押印しておいた方が良いです。
払込証明書の作成ができたら、払込証明書と通帳のコピーをホチキスで綴じて各ページに代表印で契印します。
※契印(けいいん)とは、綴じたページの境目に印鑑を押印することです。
通帳の資本金の入金が確認できる部分には、マーカーなどでチェックを入れておきましょう。
7、登記書類を作成する
「合同会社設立登記申請書」には名前の横と書類の左上に代表印を、「本店所在地及び資本金の額の決定書」には名前の横と書類の左上に実印を押印します。
定款と登記すべきが入ったディスクの作成
登記申請書類と一緒に提出するディスクを作成します。
紙ではなくデジタルデータの形で法務局に提出するものをこのディスクの中に入れます。
提出できるメディアの種類は、
フロッピーディスク(2HD,1.44MB,MS-DOS形式)
CD-ROM(120mm,JIS X 0606形式)
CD-R(120mm,JIS X 0606形式)
↑これのどれかに「pdf化した電子定款」と「登記すべき事項」を入れます。
ちなみに私は百均で購入したCD-Rを使いました。
「登記すべき事項」って難しそうな名前ですが、提出書類にはこんな内容のことを記載してますよ~てことを書くだけです。
↓法務省のサイトに「登記すべき事項」を作成するにあたってのルールが載っています。
法務省:商業・法人登記申請における登記すべき事項を記録した電磁的記録媒体の提出について
私はディスクに「登記すべき事項」をはり付けるのを忘れたまま提出してしまい法務局から電話があり指摘を受けました。
ですが、紙で提出して良いとの事でディスクを作り直さず「登記すべき事項」を紙に印刷し追加で提出するだけで済みました。
いや、凡ミスw
8、印鑑届書を作成
法務省のサイトでPDF形式のものをダウンロードできます。
印鑑を2か所押印するのですが書類の左上には会社代表印、届出人横には個人の実印を押します。
そして、委任状の欄の下に「印鑑証明書は登記申請書に添付のものを援用する」というところにレ点を必ず入れます。
これをしておくと本人の印鑑登録証明書をもう1枚提出しなくて済みます。
9、登記書類を製本する
今まで作った書類を順番に重ねてホチキスで左側をとめて完成させますが、印鑑届書だけは他の書類と一緒にホッチキスで留めずに提出します。
印鑑証明書がもしA4サイズよりも小さい場合、A4用紙に貼り付けて他の書類と一緒にとじます。
書類の順番は、
・登記申請書
・本店、資本金決定書
・社員の印鑑証明書
・払込証明書
これをホチキスで綴じて印鑑届書と重ねてクリップなどで一緒にしておきます。
また、申請書の左上あたりに申請人の連絡先の電話番号を鉛筆で記入しておきます。
もし、修正箇所などある場合この電話番号にかけてきてくれます。
あとは書類にディスク添えれば提出書類はすべて完成です!
10、設立登記を申請する
上記の項目が完了したら、設立する会社の本店所在地を管轄する法務局に提出します。
本店所在地を管轄する法務局は法務局のサイトから探すことができます。今回私は設立する会社住所を管轄する法務局へ提出しに行きました。
法務局内に収入印紙の販売所があるのでそこで6万円分の収入印紙を購入しました。
収入印紙は郵便局でも購入することはできますが、6万円と高額なのでもし貼るところを間違ってしまったら大変なのでもし法務局へ出向いて提出する人は法務局内で購入したほうが良いと思います。
私はそのようにしたら、提出する窓口で職員さんが貼る場所を指示してくれるので適切な所へ印紙を貼ることができした。
心配な人は法務局で聞きながらやるといいかも
窓口で提出した場合は完了予定日が書かれた紙をもらえます。
ちなみに申請書類の提出は郵送でもできます。その際は封筒の表には登記申請書類在中と記載しましょう。
すごく大事な書類なので法務局に到着したことが確認できるよう書留か配達記録等にしておいた方が良いです。
設立日はこの日が良い!と決めている人は、配達日を指定して郵送してください。特に修正など無く設立できると提出日(到着日)が設立日になるためです。
そして、郵送する場合完了予定日が分からないので、到着予定日に法務局に電話で問い合わせると教えてくれます。
登記申請書に書いた電話に補正の連絡がこなければ、無事会社設立です。設立日は完了日ではなく、最初に登記申請書を提出した日になります。
自分で作った感想
今の時代ネットで調べればいろいろ教えてくれて自分ひとりででも全然できるやん。難しい言葉を並べているだけで内容は意外と簡単でした。
そして今になって思うのは、このブログを書くためにいろんなサイトに細かいところまで目を通したり、書類などを調べたことを申請書類を作成する時にやっていれば、もっとスムーズに書類作成することができただろうな。なんなら添付書類をつけ忘れるという凡ミスはしなかっただろうな~。
ま、だけど特に訂正箇所などもなくおよそ2週間ほどで登記完了しました。
従業員は本人だけの場合難しく考えなくて大丈夫です。設立後、税務署や市町村役場への届出や社会保険関係の手続きもありますが、とりあえずここまでは作業も難しくなくできました。
無事に終わってよかったー!
最後に
以上、一人親方(個人事業主)が合同会社を自分で手続き、法人化する方法でしたー。
これで節税の幅が広がるので色んな恩恵を受けれるはずです。詳しい節税についてはまた別の記事に書くとします。
この件に関してはぼくはノータッチでしたけど、ぼくは仕事を頑張るってことでいいですかね?